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沈んだ名 故郷喪失アンソロジー
¥1,650
様々な理由で「故郷」を「喪失」した書き手たちが、「故郷喪失」をテーマに書いた全13編の小説・エッセイと論考1編を収録したアンソロジー。「故郷喪失」とは一体何なのか、なぜいまそれを語るのか、という問いに真摯に取り組んだ選りすぐりの作品が揃っています。 【収録作品】 いとー「あらかじめ決められた喪失者たちへ」 城輪アズサ「ロードサイド・クロスリアリティの消失」 闇雲ねね「これはあくまで私の話」 オザワシナコ「採集作業」 江古田煩人「帰郷の旅路」 伊島糸雨「塵巛声」 万庭苔子「回転草(タンブルウィード)」 藤井佯「安全で安心な場所」 湊乃はと「遺愛」 灰都とおり「絶対思想破壊ミーム小夜渦ちゃん」 神木書房「祝杯」 犬山昇「壊れていくバッハ」 玄川透「富士の雅称」 藤井佯「ながいあとがき」 編者 藤井佯 判型 文庫 15cm×10cm ページ数 258P 発行日 2024.5.12
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生まれつきの時間 inch magazine PocketStories 01
¥1,210
inch magazine PocketStories 01 生まれつきの時間 著者 ファン・モガ 2006年に来日、東京在住。漫画家制作スタジオを経てIT企業で勤務しながら韓国語で執筆した『モーメント・アーケード』が2019年第4回韓国科学文学賞中短編部門で大賞受賞し、作家デビュー。邦訳された作品はほかに『透明ランナー』『スウィート、ソルティ』など。未邦訳に短篇集『夜の顔たち』、長篇作品『私たちが再び巡り逢える世界』『言葉なき者の声(仮)』などがある。 訳者 廣岡孝弥 1981年富山県生まれ。『トトノイ人』をはじめ、リトルプレスの制作やサポート業に従事。2021年第5回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」にて『モーメント・アーケード』で最優秀賞を受賞。オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン正会員。 「短篇小説をポケットに」 inch magazine PocketStories第一弾は韓国SF短篇小説。 人類が一度滅亡したあとの世界。「成長センター」で目覚めたアルムはすでに十五歳だった。生殖能力をなくした人類を再生するプログラムで急速な教育とリハビリを与えられたアルムは、ある日センターを逃げ出すが……。 2019年に韓国屈指のSF新人文学賞である第四回「韓国科学文学賞」の中短篇部門で『モーメント・アーケード』(2022年日本版はクオン刊)が大賞に選ばれてデビューした、SF作家ファン・モガによる未邦訳作品です。原著は韓国のSF雑誌「The Earthian Tales」No.2で2022年4月に発表され、高い評価を得ています。 本書は、韓国で加熱する教育格差や世界で問題になるジェンダー格差など、様々な不平等を描きながら誰にも普遍的な優しい物語になっており、正確な論理的な科学技術に基づいた本格的ハードSFとは異なる、「少し不思議=SF」かつ、現実社会の問題と向き合う作品です。 本書の巻末には韓国に留学中で小説やエッセイなどを執筆するモデルの前田エマさん(「Hanako Web」など)と、「韓国SF小説が描くもの」について作者と対談しました。 格差やジェンダー問題などの現実社会の厳しさを韓国社会で見つめる役目として、文学や詩の重要性を民主化運動などを通して育んできた歴史のある韓国。現在、韓国に留学していて感じる視点から語っていただきました。 表紙カラー、本文モノクロ80ページ、中綴じミシン製本 サイズ:W106mm×H184mm 発行:菅原祐樹(inch media) 装丁:坂脇慶 装画・挿画:大川久志
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この星を離れた種族 inch magazine PocketStories 02
¥1,210
生まれつきの時間 inch magazine PocketStories 02 パク・ヘウル 小説家。長編小説『ギパ』で第3回韓国科学文学賞長編部門の大賞を受賞し、SFを書き始めた。2024年に短編集『ゆりかご惑星』を出版した。日本語への翻訳は今回の『この星を離れた種族』が初。短編「ゆりかご惑星」は、イギリスでの映画化契約が締結された。 廣岡孝弥(翻訳) 1981年富山県生まれ。『トトノイ人』をはじめ、リトルプレスの制作やサポート業に従事。2021年第5回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」にて『モーメント・アーケード』で最優秀賞を受賞。オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン正会員。 韓国SF界が期待する作家が描く、世界に蔓延る経済格差や人種差別の構造、そして人間の理性に迫る「気候変動+SF」。 海外文学翻訳シリーズ「PocketStories」の第二弾として、邦訳は初となる韓国で今注目のSF作家、パク・へウルのショートショート「鉄の種族」と短篇小説「ゆりかご惑星」の二篇を収めた『この星を離れた種族』を刊行。 「鉄の種族」は、地球を離れた人類の痕跡を探査する地球外生物の視点で「報告書」という形を取りながら、なぜ人類がいなくなったのか、ユーモラスな誤解などを混ぜながら推察するというショートショート。 短篇小説「ゆりかご惑星」は、両親を亡くしてたどり着いた国でゴミ清掃員として働く難民女性の回想録を通して語られるお話。より良い生活のために娘と家族の安全と引き換えに、人類が近い将来、地球外の惑星に移住できるようにテラフォーミング(地球化)する職を得るが、家族と何光年も離れた星でひとりその任務を遂行する中で様々な矛盾に葛藤していく。そして主人公はある行動に出る……。 中短篇ほどの長さながら、過去と現在、数十年後の未来に至るまでの物語と惑星を越えた母と娘の強いつながり、格差や差別の構造や難民であり女性であるという弱い立場の人間の目線といった様々な要素が描かれています。 装画、挿画は滝口悠生『長い一日』、窪美澄『ははのれんあい』などで絵を添えている松井一平氏によるものです。 〈目次〉 05 鉄の種族 11 ゆりかご惑星 56 訳者解説 64 気候変動SF小史 橋本輝幸(SF書評家) 表紙カラー、本文モノクロ80ページ、中綴じミシン製本 サイズ:W106mm×H184mm 発行:菅原祐樹(inch media) 装丁:坂脇慶 装画・挿画:松井一平